供給システム

供給システムSystem

熱供給システムと総合効率の変遷

関⻄国際空港は開港から約30年経過し、開港と同時期に運⽤を開始した冷凍機などの機器は⽼朽化が進んでいます。
当社では、供給信頼性を維持するため計画的な機器の更新を⾏っています。現在までに三度にわたり大規模な更新工事を実施しました。

① 2011年度

中央プラントシステム改良工事

  • 定速ターボ冷凍機
    INVターボ冷凍機

  • 氷蓄熱システム

  • 炉筒煙管ボイラー

② 2013年度

南プラントシステム改良工事

INVターボ冷凍機

③ 2019年度

中央プラントシステム改良工事

  • INVターボ冷凍機

  • ⾼効率吸収冷凍機

改良工事による総合エネルギー効率の推移

新規導入した主要な熱源機器

電動ターボ冷凍機

中央プラントに導入された電動ターボ冷凍機は定速ターボ冷凍機とインバータ(INV)ターボ冷凍機があり、ガス・電気のベストミックスをめざし電動化を⾏いました。
定速ターボ冷凍機・・・定格付近で⾼効率となる冷凍機
INVターボ冷凍機・・・中間負荷で⾼効率となる冷凍機

炉筒煙管ボイラー

急激な負荷の変動にも安定した蒸気供給が可能であること、また、一般的に排⽔量が少ないと⾔われている⾼効率の炉筒煙管ボイラーを選択し、ランニングコストの削減をめざしています。

氷蓄熱システム

電⼒需要が少ない夜間にブラインターボ冷凍機を稼働させて氷蓄熱槽に氷を作り、電⼒需要が多い昼間に氷を使って冷⽔を冷やします。これにより昼間の冷凍機の稼働台数を減らし、電⼒のピークシフトをすることができます。

設備概要

熱源機器構成

中央プラントは電動ターボ冷凍機・氷蓄熱システム・蒸気吸収式冷凍機・炉筒煙管ボイラーを設置し、状況に応じた運⽤が可能な設備構成としています。また、南プラントは電動ターボ冷凍機・蒸気吸収式冷凍機を設置しております。
温熱は中央プラントに設置しているボイラーから配管を通じ蒸気供給しており、南プラントに設置された蒸気吸収式冷凍機の駆動熱源としても利⽤しています。

熱源機器構成 中央プラント 南プラント
定格出⼒ 台数 年度 定格出⼒ 台数 年度
電動ターボ冷凍機 ⾼効率ターボ冷凍機 2,000RT 2 2011
インバータターボ冷凍機 2,000RT 1 2019 200RT 2 2013
1,200RT 1 2011
ブラインターボ冷凍機 1,100RT
(追掛時1,500RT)
1 2011
氷蓄熱 アイスオンコイル式氷蓄熱槽 5,000RTh 2 2011
プレート式冷⽔熱交換機 2,000RT
(放熱⽤)
1 2011
1,500RT
(追掛⽤)
1 2011
⼆重効⽤形蒸気吸収冷凍機 2,000RT 3 1994 1,700RT 2 1994
2,000RT 1 2019 350RT 2 1994
ガス焚炉筒煙管ボイラ 15t/h 4 2011
システム概要

コラム

冷凍機1台あたりの能力

1Rt(US冷凍トン)は0℃の水2,000ポンド(約0.91トン)を24時間で氷にする能力です。
約3.5kwの能力があり、家庭1戸あたり3台のエアコンが設置されていると仮定すると...

2,000Rtの冷凍機で、住宅約666戸の冷房能力に相当します。

地域配管について

冷水管(往、復)と蒸気管、還水管の4管で、お客様施設と結ばれています。

種別 総延長(km)
冷熱 冷水管(送り) 約4
冷水管(返り) 約4
温熱 蒸気管(送り) 約6
還水管(返り) 約6

供給内容

冷温熱を、24時間、365日、休みなく供給しております。

種別 標準温度(℃) 圧力(MPa)
冷熱 冷水(送り) 6.0 0.58~0.73
冷水(返り) 13.0 0.29~0.49
温熱 蒸気(送り) 約175 0.58~0.83
還水(返り) 80 0.29