環境への取り組み

環境への取り組みEnvironment

関⻄国際空港熱供給の環境目標

  • 削減目標

  • 温室効果ガス削減計画

    CO2排出係数:電気事業低炭素社会協議会公表値使⽤

  • 環境推進体制

当社は、関⻄国際空港の主要な建物へ冷暖房に使⽤する熱源を製造・供給しているため、他の空港施設と比較してエネルギーの使⽤量が非常に多いことが特徴です。
そのため、私たちの取り組みは空港全体の環境負荷低減のために重要な役割を担っています。関⻄エアポートグループ全体の目標達成に向けて環境推進体制の構築およびアクションプランを設定し、計画的に取り組みを進めています。

関⻄エアポートグループの環境計画

環境への取り組み

これまでの取り組み

〜2004年度 冷却塔連結による効率向上
2005年度 冷却⽔ポンプの内⾯コーティング
2006年度 冷却⽔ポンプインペラのダウンサイジング
2010年度 冷却塔ファン軽量化による電⼒削減
2011年度 中和装置による適切な排⽔処理
2013年度 吸収式冷凍機保管解除時の抽気⽅法変更
2014年度 ⽔噴射式INV駆動コンプレッサーの導入
2016年度 照明のLED化
2017年度 ドレンフィルターポンプの⾼効率化
2021年度 冷却塔の充填材清掃による消費電⼒の削減
2022年度 冬期蒸気供給圧⼒変更

冬期冷⽔出⼝供給温度変更

これからの取り組み

⾼効率変圧器への更新
業務⽤⾞両のZEV転換
AI・IT技術を活⽤したプラント運転の最適化

●・・・脱炭素
●・・・環境共生

これまでの取り組み内容について

冬期冷⽔出⼝供給温度変更

冷凍機から吐出される冷⽔出口温度は、冷熱需要にあわせて6.0℃に設定しています。

冬期は冷房に使⽤する冷熱の需要が⼩さいため、6.0℃よりも⾼い温度で⼗分に冷房をすることができます。

冷⽔出口温度が⾼くなるにしたがって冷凍機の効率が向上することから、冬期の冷⽔出口温度設定を7.0℃に変更しました。これにより、冷凍機に使⽤する電⼒を削減することができました。

環境とコンプライアンスに配慮した中和装置による適切な排⽔処理

ボイラー⽔はボイラー本体や配管の腐食防止のためアルカリ性に調整しています。ボイラー⽔の薬品の濃度やpHの調整のため、断続的に排⽔していますが、下⽔道法や⽔質汚濁防止法ではpH5.8〜8.6程度で排出するよう定めらており、pHの⾼い⽔をそのまま公共⽤⽔域に放流すると環境に悪影響を及ぼすため、排⽔を中和処理することにより排⽔基準を順守しています。

排⽔の中和剤には、環境負荷の少ない炭酸ガスを使⽤しています。

これからの取り組み内容について

⾼効率変圧器への更新

冷凍機と同様に、電気設備についても計画的な更新を予定しています。関⻄国際空港熱供給の受電⽅式は信頼性の⾼い3回線スポットネットワーク⽅式を採⽤しており、22000Vの特別⾼圧で受電しています。
変圧器をはじめとした電気設備をトップランナー⽅式の機器に更新することにより、電⼒ロスを低減し省エネルギーをめざします。

AI・IT技術を活⽤したプラント運転の最適化

熱供給プラントの運転は、技術の進歩により運⽤開始当初と比較して⾃動化が進んでいます。しかし、刻々と変化する熱需要に対して冷凍機の出⼒調整や機器の起動・停止のタイミングなどは、運転員が判断し操作しています。そのため、そのため、運転員の技量や経験により運⽤効率に差が出てしまいます。
技術や経験によらない、常に最適なプラント運転をめざして、以下のような取り組みを検討しています。

電⼒の⾒える化

冷凍機だけではなく、ポンプや冷却塔などの主要な補機にも電力量計を設置し、システム全体のCOPを見える化することにより、その時々にあった最適な運転機器を選定します。

需要予測に基づく運転の最適化

AI等を活⽤した需要予測に基づくプラント運転支援システムの導入を検討しています。機器の構成・特性と需要予測を組み合わせ、AIにより最適な運転パターンを判断し運転員を支援します。また、最適な運転パターンのデータを蓄積することでさらに精度をを上げてゆき、最終的には人の判断が介在しない⾃動化につなげることをめざします。

実績データ

総合エネルギー効率(1次エネルギー換算)

総合エネルギー効率は、熱供給システムの熱源製造から供給までのエネルギー効率を⽰す指標であり、数値が⾼いほど効率がよいことを表します。

2010年より以前は0.600程度であった総合効率は、大規模更新工事や供給区域の⾒直し等を経て、2022年度は0.854となり、省エネ法の事業者クラス分け評価制度においてSランクを取得することができています。

CO2排出量

2022年度の供給する熱源のCO2排出係数※1は0.0401[tCO2/GJ]でした。これは温対法※2で定められた蒸気(産業⽤を除く)、温⽔、冷⽔の基準排出係数の0.0570[tCO2/GJ]を大きく下回る値であり、販売熱量当たりのCO2排出量が少ないことを⽰します。

※1 CO2排出係数= CO2排出量[t-CO2] / 販売熱量[GJ]
※2地球温暖化対策の推進に関する法律。CO2を排出する事業者に、CO2排出量を算定し、国への報告を義務づけた法律

上⽔使⽤量

上⽔使⽤量のうち、冷却塔での冷却⽔の蒸発およびブローが使⽤量の大半を占めます。2019年度に実施した大規模更新工事で⾼効率の冷凍機を導入したことにより、冷却⽔使⽤量が減少し、約7%の削減効果がありました。