CO2排出係数:電気事業低炭素社会協議会公表値使⽤
当社は、関⻄国際空港の主要な建物へ冷暖房に使⽤する熱源を製造・供給しているため、他の空港施設と比較してエネルギーの使⽤量が非常に多いことが特徴です。
そのため、私たちの取り組みは空港全体の環境負荷低減のために重要な役割を担っています。関⻄エアポートグループ全体の目標達成に向けて環境推進体制の構築およびアクションプランを設定し、計画的に取り組みを進めています。

| 2023年度 |
● 業務用車両のZEV転換 ● 冷却塔ファンインバータ化 |
|---|---|
| 2024年度 |
●● 空冷ヒートポンプチラー導入 ● 太陽光発電電力の活用 ● グリーン調達の推進 ●●● 環境推進委員会活動 |
| 2025年度 |
●● 低GWP冷媒ターボ冷凍機への更新 |
| ● ⾼効率変圧器への更新 |
| ●● 『KHC HEAT DX』 |
温室効果ガス排出量削減のための手法の一つとして、業務用車両を環境負荷の低い車両への更新を計画しています。年間の走行距離、燃料使用量、経過年数などを考慮した更新計画を策定し、順次入れ替えを行います。特に、走行時にCO2を排出しないZEV※への転換を積極的に進めてまいります。
2023年度には業務用車両を2台EVに更新し、併せてEV用充電器を2台設置しました。
※ZEV(zero emission vehicle):電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)など
電気自動車(EV)
EV用充電器
2023年度の設備効率化として、冷却塔ファンのインバータ化を行いました。冬期に定格運転していたファンの電力削減となり、冬場の冷却水温度を一定にするためにこれまではバイパス弁を使っていましたが、インバータの導入によりバイパスすることなく一定の温度に制御可能となりました。
冷却塔
当社では、熱源設備の一部に空冷ヒートポンプチラーを新たに導入しました。これにより、冷却塔を使用しない冷水供給が可能となり、上水使用量の削減が期待されるほか、運用面でも以下のような特長があります。
冷凍機と空冷ヒートポンプチラーを併用した本格的な冷水供給は、熱供給分野では珍しい取り組みであり、設備運用の柔軟性と環境配慮の両立をめざした機器構成となっています。
空冷ヒートポンプチラー
関西国際空港では、2025年2月にオンサイト型PPA(Power Purchase Agreement)方式による太陽光発電「Sora×Solar®」の稼働が始まり、発電された電力の一部を熱供給プラントで活用しています。これにより、プラントの年間電力消費量の約9%を太陽光由来の電力で補うことができる見込みです。太陽光発電を熱供給分野で本格的に活用する事例は全国的にも珍しく、先進的な取り組みといえます。
計画時パース図
「Sora×Solar®」は、発電事業者によって空港敷地内に設置・運営されている太陽光発電設備で、39,740枚のパネルを備えた国内空港最大規模のシステムです。PPA方式の中でも国内有数の発電量が見込まれており、空港の環境負荷低減に大きく貢献しています。
Sora×SolarⓇ
環境負荷の低減に向けた取り組みの一環として、当社では事務用品のグリーン調達を推進しています。 グリーン購入法に基づき、環境配慮型製品(グリーン製品)を優先的に選定することで、資源の有効活用や廃棄物の削減につなげています。コピー用紙、筆記具、ファイル類など、日常的に使用する事務用品について、可能な限り環境ラベル付き製品や再生材を使用した製品を採用しています。
これらの取り組みは、製品の製造・輸送・廃棄に伴うCO₂排出を含むスコープ3(その他の間接排出)への対応にもつながります。直接排出だけでなく、調達や使用に関わる排出量にも目を向けることで、より広い視点から環境負荷の低減をめざしています。
当社では、環境への取り組みをより一層推進するために環境推進委員会を設置しています。この委員会は、全社的な環境方針の実現を目的とし、持続可能な社会の実現に向けた活動を進めています。 社員一人ひとりの意識向上と行動変革をめざし、引き続き多様な活動を展開していきます。
取り組み内容
環境目標の進捗確認や新たな施策の検討を行い、全社的な取り組みを強化しています。
部門横断で構成されたワーキンググループが、具体的な改善策やアイデアを提案・実行。
省エネや水使用量削減など、現場レベルでの実効性ある取り組みを進めています。
設備の高効率化と環境配慮を目的に、2025年度に低GWP冷媒(HFO-1234yf)を使用したターボ冷凍機を導入しました。
この冷凍機は、既設の冷凍機の老朽化対応として更新したもので、採用した冷媒は地球温暖化係数(GWP)が非常に低く、従来の冷媒と比べて温室効果への影響を大幅に抑えることができます。冷却性能を維持しながら、環境への負荷を軽減できる点が特長です。
低GWP冷媒ターボ冷凍機
冷媒HFO-1234fy自体はフロンですが、フロン排出抑制法上はフロン類に該当いたしません。
また、経済産業省の定義では使用機器はノンフロン扱い製品となります。
冷凍機と同様に、電気設備についても計画的な更新を予定しています。関西国際空港熱供給の受電方式は信頼性の高い3回線スポットネットワーク方式を採用しており、22000Vの特別高圧で受電しています。変圧器をはじめとした電気設備をトップランナー方式の機器に更新することにより、電力ロスを低減し省エネルギーをめざします。
当社では、AI・IT技術を活用し、熱供給プラントの運転を高度化する取り組みを進めています。データとAIによる支援で最適運転を実現し、将来的には高度な自動化をめざします。
背景と課題
熱供給プラントは自動化が進んでいるものの、刻々と変化する熱需要に対応するための冷凍機出力調整や機器の起動・停止は、現在も運転員の判断に依存しています。そのため、運転員の技量や経験によって運用効率に差が生じる課題があります。
取り組み内容
冷凍機だけでなく、ポンプや冷却塔などの補機にも電力計を設置し、システム全体のエネルギー使用状況を可視化。これにより、その時々に応じた最適な運転をめざします。
AIを活用した需要予測とプラント運転支援システムの導入を検討中です。機器構成や特性と需要予測を組み合わせ、AIが最適な運転パターンを提案し、運転員をサポートします。さらに、最適運転データを蓄積し精度を高め、将来的には完全自動化を視野に入れています。
総合エネルギー効率は、熱供給システムの熱源製造から供給までのエネルギー効率を示す指標であり、数値が高いほど効率がよいことを表します。
2010年より以前は0.60程度であった総合効率は、大規模更新工事や供給区域の見直し等を経て、2024年度は0.88となり、省エネ法の事業者クラス分け評価制度においてAランクを取得しています。
2024年度の供給する熱源のCO2排出係数※1は0.0424[tCO2/GJ]でした。これは温対法※2で定められた蒸気(産業用を除く)、温水、冷水の基準排出係数の0.0570[tCO2/GJ]を大きく下回る値であり、販売熱量当たりのCO2排出量が少ないことを示します。
※1 CO2排出係数= CO2排出量[t-CO2] /
販売熱量[GJ]
※2地球温暖化対策の推進に関する法律。CO2を排出する事業者に、CO2排出量を算定し、国への報告を義務づけた法律
上水使用量のうち、冷却塔における冷却水の蒸発およびブローが大半を占めています。2024年度は記録的な猛暑の影響で冷房需要が増加し、それに伴い冷却水の使用量も大幅に増加しました。
2025年度は、水使用量の少ない熱源機器への更新が進んだことで、上水使用量の削減が見込まれます。